ピレモン4-6, 5節のノート1, 6節のノート4
「わたしは祈りの中で、あなたのことを覚えて、いつもわたしの神に感謝しています。それは主イエスに対して、またすべての聖徒たちに対して抱いているあなたの愛と信仰を、聞いているからです。どうか、あなたの信仰の交わりが効き目を現して、あなたがたの中にあるキリストのためのすべての良い事が、十分に知られますように」。
信者の命の初期の段階では、信仰がまず来ます。そして信仰から愛が生み出されます(ガラテヤ五・六、エペソ一・十五、コロサイ一・四)。しかし、ここでは愛が最初に述べられ、次に信仰が述べられています。なぜなら、ピレモンへの手紙で取り扱われている信者たちの同等な身分は、信仰から生じる愛と関係があるものだからです。新しい人の中では、肢体は信仰の中で互いに愛し合います(テトス三・十五)。彼らの関係は、信仰を通しての愛の関係です。使徒は、ピレモンの信仰の交わりを高く評価しており(ピレモン六節)、また彼の愛によって励まされています(七節)。ピレモンは主に対してだけでなく、すべての聖徒に対しても、愛と信仰の両方を持っていました。
「キリストのため」は、文字どおりには、キリストへと、キリストに向かってです。わたしたちの中にあるすべての霊的で神聖な良い事は、キリストへと至り、キリストへ向かい、キリストのためです。使徒は、すべての聖徒に対するピレモンの信仰の交わり、交流、分け与えが、わたしたちの中にある、キリストのためのすべての良い事の全き知識、全き認識の要素と領域において、彼らの中で効き目を現して、信者たちの中にある、キリストのためのあらゆる霊的で神聖な良い事柄を、彼らが認め、賞賛し、承認するようにと祈りました。
<抜粋>パンと魚